NHK受信料制度への批判拡大、井上会長「時代に合わせ柔軟に考える姿勢が大事」
NHKの井上樹彦会長は17日の定例記者会見で、公共放送の財源について「広く視聴者に負担していただく受信料制度がふさわしいが、メディア環境や視聴スタイルが変化する中、受信料制度の詳細について時代状況に合わせて柔軟に考える姿勢は大事だ」と述べた。

受信料制度は1950年施行の放送法に基づく。53年にテレビ放送が始まった当時はニュースを得る手段が乏しく、娯楽も少なかった。全国津々浦々に番組を届ける必要もあり、「テレビがあれば契約義務」という考え方は国民に支持された。しかし、娯楽の多様化や民間メディアの成長、インターネット社会の急速な進展で、現在の仕組みへの批判が広がっている。
井上会長は3月の読売新聞インタビューで「受信料制度は最上」と発言したが、5月に秋田で開かれた「視聴者のみなさまと語る会」では、視聴者から受信料制度への疑問が相次ぎ、出席した山名啓雄副会長は「未来永劫に変えないということでもないし、NHKだけで決められるものでもないが、受信料については常に検討している」と述べた。
この点、井上会長は17日の会見で「(インタビューでの)私の発言は受信料制度という大きな枠組みの大切さを述べたもので、副会長の発言は時代の変化に即して検討や検証を続ける必要があるという趣旨だ。齟齬はない」と説明した。
NHKは現在、2027~29年度経営計画を策定中で、井上会長は「受信料制度のもとでNHKの役割を果たし続けていくということで検討を続けている」とした。一方、総務省の新たな有識者会議「放送政策委員会」が発足し、NHKの位置付けや役割も検討課題となっている。これについて井上会長は「議論の中身は注視するが、受信料制度の詳細についてはまず自ら検証・検討を行いたい」と述べた。