トランプ氏「合意成立」と発表、イランも「最終決定」 戦闘終結へ
米国とイランの戦闘終結に向けた協議について、トランプ大統領は14日(日本時間15日午前)、合意が成立したと明らかにした。イラン側もメディアを通じ、米国との覚書の内容を最終決定したと発表した。正式な署名式典は19日にスイスで行われる予定。ホルムズ海峡の開放へめどが立ったものの、本格的な和平をめぐる双方の溝はなお深く、今後の交渉は難航が予想される。
米国とイスラエルが2月28日に始めたイランへの先制攻撃をきっかけに、原油輸送の生命線であるホルムズ海峡は封鎖され、エネルギー危機が世界各国に広がった。米イラン双方は6月12日、近く戦闘終結のための覚書が交わされるとの見通しを示し、交渉は最終段階を迎えていた。
合意を最初に発表したのはパキスタンのシャリフ首相だが、実際にはカタールからイランに交渉仲介団が派遣され、合意成立まで17時間にわたる集中的な協議が続けられていた(FOXニュース報道)。新たな仲介者として舞台を維持したパキスタンに加え、ガザを含む中東紛争の仲介に慣れたカタールが後から加わることで、合意成立にこぎ着けたと見られる。スイスでの19日の式典の前にも、調整のための会合がドーハで複数回開かれる予定だという。
イスラエル紙ハアレツによると、ヴァンス副大統領は交渉の中核は3つの取引だと説明。ホルムズ海峡の即時解放と、アメリカによる海峡封鎖の解除、イランの核兵器開発の阻止だ。とはいえイランは戦争開始前から核兵器開発を明言したことはなく、合意の実現によって開戦前の「ふりだしに戻った」に過ぎない。濃縮ウランの搬出、核開発の平和的利用、制裁解除といった問題は、この後の60日間の交渉で協議される見通しだ。
イスラエルは停戦への反対を示すように、既にベイルート南部のダーヒヤを攻撃し、イランからの報復攻撃に備えていた。トランプ大統領が強い言葉でイスラエルを非難し、イランに攻撃自制を強く呼びかけたことで、この合意がなんとか成立した。イラン側は自ら攻撃しないことで合意ができたという「恩義」を売りつけることができたと言えるかもしれない。ただトランプ大統領がそれを理解するかは不明だ。ともかく矛を収めた状態が続き、協議が進むかが注目される。