トランプ氏だけ豪華な夕食会、ベルサイユ宮殿で開催…G7ホストのマクロン氏に「過去の成功体験」
【エビアン=上地洋実】15日に開幕する先進7か国首脳会議(G7サミット)で、議長国フランスはトランプ米大統領の「フル参加」を確実にするため、さまざまな配慮を重ねている。7か国の首脳が集まる場でありながら、トランプ氏だけを豪華な夕食会に招くなど、異例の厚遇ぶりが際立っている。

米政府高官は13日、トランプ氏が17日にパリ郊外の観光名所ベルサイユ宮殿でマクロン仏大統領と夕食をともにすることを発表した。この夕食会は、トランプ氏をサミット最終日まで引き留めるためにマクロン氏が用意した「秘策」だ。華麗な宮殿は、派手な接遇を好むトランプ氏の歓心を買うにはうってつけの舞台となる。仏メディアは、トランプ氏に対する「オーダーメイドの配慮」と評している。
![フランス・パリ郊外にあるベルサイユ宮殿。2022年3月29日夕刊[世界史アップデート]「仏革命と女性の権利宣言 政治運動に参加、覚醒」掲載。](https://www.yomiuri.co.jp/media/2026/06/20260616-GYT1I00059-1.jpg?type=large)
フランスはそもそも、トランプ氏が出席できるようにサミットの開催日程も変更した。当初は14日から始まる予定だったが、トランプ氏の80歳の誕生日を祝うホワイトハウスでのイベントと重なったため、1日先送りした。
自国第一主義を掲げるトランプ氏は多国間協調を軽視する傾向にある。昨年カナダで開かれたG7サミットでは、中東情勢への対応を理由に初日の協議に参加しただけで帰国した。フランスとしては、こうした事態を避けたいのが本音だ。
米国への配慮は招待国や議題にも表れている。米ニュースサイト・ポリティコによると、フランスは米国の圧力を受け、南アフリカへの招待を撤回した。トランプ氏が南アで白人が迫害されているなどと主張し、両国の関係が悪化していたことが影響したという。
4月のG7環境相会合では気候変動が議題から外された。トランプ氏が温暖化対策に否定的なためで、担当相のモニク・バルビュ氏は、「気候変動を取り上げれば、(米国が)協議の席を離れ、何も達成できなくなるリスクがあった」と述べ、正当化した。今回のサミットでも気候変動は主要議題に入っていない。
マクロン氏には過去の成功体験がある。2019年に仏南西部ビアリッツで開かれたG7サミットでは、トランプ氏を予定外の昼食会に招待し、土壇場で首脳宣言を取りまとめることに成功した。今回のサミットでも、トランプ氏厚遇を通じ、成果文書の発出にこぎ着けたい考えだ。