ウクライナ戦況好転、無人機でロシア後方かく乱 クリミア孤立も視野
ロシアによるウクライナ侵略の戦況が停滞し、ウクライナ側に好転の兆しが見えている。ロシア軍の支配地域は4月、5月と2カ月連続で純減し、ウクライナが領土を奪還している模様だ。無人機(ドローン)を使った補給路や支援拠点への攻撃がロシア軍の後方をかく乱し、攻勢を阻む戦術が奏功しているとみられる。

ウクライナ軍のオレクサンドル・シルスキー総司令官は8日、SNSに「ウクライナ軍は防衛線を維持し、ロシア軍を撃破している」と投稿し、戦場の一部で主導権を握っているとの認識を示した。
米政策研究機関「戦争研究所」によると、ロシア軍の支配地域は4月に続き5月も純減。5月は約280平方キロメートルの減少で、4月の約2.4倍となった。ロシア側の専門家も「甚大な人的損失にもかかわらず、戦線は5月に完全に停滞した。ロシア軍の数的優位は領土獲得に結びつかなくなった」と指摘する。

戦況の潮目を変えたのは、ロシア軍の補給網や物資貯蔵施設を無人機で攻撃し、後方支援を妨害するウクライナの作戦だ。弾薬や食料が届かず、ロシア軍の一部がウクライナ南部の拠点から撤退したとの情報もある。ロシア軍が2月、米宇宙企業スペースXの衛星通信網「スターリンク」への接続を失ったことも影響しているようだ。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は11日、SNSに「無人機は前線から数百キロメートル奥の目標攻撃まで様々なレベルでうまく機能している」と投稿。ロシア軍の死傷者が毎月3万人を超えると主張した。また、近い将来クリミアを孤立させる可能性にも言及している。
