イラン、米国との協議「数日内」開始へ イスラエルはレバノン攻撃「ヒズボラが攻撃したら報復」、再燃の火種残る

【チューリヒ=阿部真司、エルサレム=福島利之】スイス外務省は19日、中部ビュルゲンシュトックで同日予定していた米国とイランの協議が延期されたと発表した。イラン外務省報道官は、仲介国と話し合い、「数日内」に始まるとの見通しを示した。覚書で軍事作戦の終結を宣言したレバノンでは18~19日、イスラエル軍が激しい攻撃を行い、交渉の行方に影を落とした。
米国のバンス副大統領は18日、最終合意へ向けた60日間の交渉期間が同日から始まったと明らかにしたが、予定していたスイス訪問を延期した。イラン外務省報道官は19日、協議延期を認めた上で、同じ日に予定していた覚書の署名が既に大統領間で行われ、協議を急ぐ必要がなくなったと説明した。
だが、レバノンのテレビ局マヤディーンは18日、イラン代表団が、イスラエルによるレバノン攻撃を停戦合意違反として、協議出席を中止したとする関係者の話を伝えた。

イラン外務省報道官は、協議を開始するには、覚書が定めるレバノンなど全ての戦線での軍事行動の終結や米軍の海上封鎖の解除、ホルムズ海峡の安全航行の履行などの条件が整う必要があるとの認識を示した。
レバノン南部では18日夜から19日にかけて、イスラエル軍がナバティエ地区などにある親イラン勢力ヒズボラの拠点150か所以上を攻撃した。レバノン保健省によると、攻撃で少なくとも47人が死亡、97人が負傷。イスラエル軍によると、イスラエル側も兵士4人がヒズボラの攻撃で死亡した。
イラン外務省報道官は19日、イスラエルによる攻撃は覚書に違反するとして非難する声明を出した。直接的な責任は米国にあると指摘し、「あらゆる必要な措置を講ずる」と軍事的な対応も排除しない方針を表明した。
イスラエル紙ハアレツなどは19日夕、イスラエル当局者の話として、イスラエルとヒズボラの双方が戦闘を停止したと一斉に報じた。ただ、当局者は「ヒズボラが攻撃したらイスラエルは報復する」と述べたといい、再燃の火種は残ったままだ。