天皇陛下、オランダ晩餐会で「平和への願いの下、共に歩み続けて」
オランダを国賓として公式訪問中の天皇、皇后両陛下は17日夜、首都アムステルダム王宮で国王夫妻主催の晩餐会に出席された。天皇陛下は英語で「将来に向けた平和への願いの下、両国が共に歩みを続けていくことを心から願います」と述べられた。
晩餐会ではまず国王が挨拶に立ち、426年前の交流の始まりに触れつつ、先の大戦について「私たちの市民や兵士には大きな苦しみがもたらされ、深い傷が残されました。その傷は後の世代にも影響を与え続けています」と語った。第二次世界大戦で日本はオランダ領だった現在のインドネシアに侵攻し、10万人を超す現地オランダ人を抑留した。
同時に国王は、大戦末期には「日本においても人々はその恐るべき帰結に耐えなければなりませんでした」と日本人の受難にも思いを致し、「これらの物語が語り継がれ続けることが極めて重要」との認識を示した。
続いてスピーチした天皇陛下も「決して忘れてはなりません」と述べ、民間人を含む多くの尊い命が失われ、多くの人が傷ついたことは「誠に悲しむべきことであります」と言及。「今なお当時の痛みを負い続けている人々がおられることに思いを致し、平和への努力を続けていかなくてはならない」との考えを示された。
また、陛下はこれまでのオランダ王室との深い親交も振り返られた。英国留学中の1984年に初めてオランダを訪問し、当時皇太子だった国王や当時のベアトリックス女王夫妻らとセーリングをしたこと、国王の結婚式や即位式に出席したことなどを挙げられた。2006年に長女愛子さまを伴い一家でオランダ静養したことは「今でも忘れられない思い出」と述べ、オランダ王室の温かい心遣いともてなしに改めて謝意を示された。
14日夜(日本時間15日早朝)のサッカーワールドカップ日本対オランダ戦を国王夫妻と4人で観戦したことについては、「ピースフルな結果にホッとしました」とユーモアを交えて紹介され、会場からは笑い声が起きた。
宮内庁によると、晩餐会にはオランダ領だったインドネシアでの戦争犠牲者団体の代表者らも招かれ、両陛下と国王夫妻と共に懇談する場面もあった。戦没者慰霊碑供花での両陛下の真摯な姿勢や天皇陛下のおことばに感謝し、「和解の取り組みをさらに進めていきたい」と伝えていたという。